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Spotify などのストリーミングサービスが叩かれる理由

投稿日:2018-09-07 更新日:

 

こんにちは。

ミュージシャンが「稼げねー!」と嘆いている近年ですが、色々整理してみたいと思いました。

 

 

 

 

お金は人間が運んでくるもの。

 

犬でも猫でも熊でもありません。お金は人間のものです。 「お金くれ」は人間に向かって言いましょう。 でも簡単にはくれません。勝手に盗むのはルール違反で逮捕です。「俺はアーティストだ。毎日頑張ってる。でも稼げない。誰のせいだ!きっと業界のせいだ!」

 

・・・と嘆く前にまずは下の図を見てみてください。

 

上のブルーは 需要を主体 とした活動。つまり他人の要求に応える事でお金を入手するという、ある程度見積もり予測ができるモデルです。

下の赤は 供給を主体 とした活動。他人に合わせるのではなく、自分の要求に応えます。わがままと言われるヤツです。先の売り上げを予測できませんから不安定な生活になります。

当然、上のブルーの方が需要に合わせて製作するのでお金を得やすいです。相手が欲しいものを探って、提供する。相手は欲しいものにはお金を払ってくれます。

一方、下の赤いボックスのモデルは、自分中心。他人に自分の時間を征服されるわけではないので、やっていて楽しいです。でもこれだと 他人が自分のことを気に入ってくれるかどうかはわかりません 相手に合わせていない活動だからです。いつお金が入るのか、それはいくらなのか、予測できません。予測できないのでギャンブルとも言われます。

 

ビジネスの基本は「需要に応える」ってこと

 

次の図では需要に合わせたモデルを示しています。お金を払う側を上に配置し、商品を提供する側を下に起きました。お金を払うかどうかは顧客が判断します。流れとしては、

  1. 顧客が欲しそうなもの、好きそうなものを探る(無償)
  2. それを作る(無償)
  3. 宣伝して知ってもらう(無償)
  4. 買ってもらう(やっと入金〜)

となります。お金を払うかどうかは顧客次第です。

 

一方、供給主体(自己中とも言うw)の場合はこの立場が逆転すると考えると理解しやすい。

 

流れとしては、

  1. クリエイターが作りたいものを作る(無償)
  2. 宣伝する(無償)
  3. 顧客が欲しがる(入金)

です。こっちの方がクリエイター気持ちは楽。でも需要をリサーチしていないのだから、 売れるかどうかは運です (笑)。最初から売り上げを期待していないという場合もあるでしょう。でも好きなことやってるんだから、それだけで幸せとも言えます。

 

実はこのミックス技で、「需要を見ていないように見せかけて、実は見ている」というやり方もあるわけです。というかほとんどがそうなのではないでしょうか。このバランスが個性になるのでしょう。

 

さて、あなたはどちらの要素が強いですか?

 

需要に応えずに音楽を「売りたい」の?

 

どうしても売ってお金を儲けたいのなら、需要に合わせる事になります。嫌だと言ってもダメです。お金を持ってくるのは犬でも猫でもない、人間なのです。相手に合わせて作る事になります。

 

「CD販売の頃が良かった」とか「ダウンロード販売が良かった」とかの議論は置いといて、現在ホットなストリーミングサービスを例に見てみましょう。

 

 

有料版のSpotifyを例にします。一番偉いのはお金を払っているリスナーです。この人たちの需要を察して応えたのが Spotify なんです。

 

  • 顧客とSpotify間では、 毎月定額が支払われる 契約です。
  • それに対して、Spotifyとアーティスト間では、 「再生されないと支払われない」 という契約です。

 

これに疑問を持つ人は、いいセンスをしていると思います。

 

  • アーティストの需要:「売れないからもっと売りたい」 (Spotify: 「もっと売ってあげるよ!」)
  • リスナーの需要:「もっと存分に手軽に聴きたい」 (Spotify: 「どこでも聴けるようにしてあげるよ!」
  • Spotifyのリスク:「サーバー代、元取れるのかなあ?」 (毎月定額にしよう)

無料プランもあるのでこんな簡単な話ではありませんが、とりあえずアーティスト側からの視点で解決された問題は、「違法行為が減りながらリスナーが増えて、音楽業界が賑やかになった」という事。スマホユーザーが簡単に音楽を楽しめる環境を作ってくれた!

 

音楽はなぜ「売れなくなった」のか

 

遡れば、デジタルメディアであるCDをパソコンに読み込んでしまい、ネットを使って無料で他人に配るという海賊行為が横行したのが理由です。

 

でもネットを遮断することはできません。してはいけません。これはIT業界での鉄則ですが、「あなたが止めても他の誰かがやる」ので、止めるのではなく改善していくという力学を働かせる事になります。

 

  • デジタルだから劣化なしでコピーできる。これは変えない。
  • コピーしたものをネットで流通できる。これも変えない。
  • コピーしたものを再生できる。 ここを変えた! 

Apple は、デジタルコピーされた音楽データを再生する事に特化したデバイス「iPod」を作りました。iPod は iTunes というソフトウェアから音楽データを読み込みます。これがめちゃくちゃ便利!iTunesとiPodのコンビで、プレイリスト製作機能だけでなく、アルバムジャケットや作曲者クレジット、歌詞などのデータの自動読み込みまで簡単にできるようにし、さらにiTunesから直接音楽をダウンロード購入できるようにした。リスナーにもアーティストにもありがたいサービスとなりました。

 

ここまでの変化ですら反対したアーティストは多数いたと思います。

  • 消費者側は、変化を求めるが、
  • 生産者側が、過去の文化遺産を守ろうとする

 

これが販売低迷の理由だったりするわけです。いろいろともめながらも、ようやく合法的なダウンロード販売が定着してきました。ここまでは良かった。

 

・・・次にストリーミングが来た。

 

ここでまた揉め始めます。ストリーミングサービスが叩かれる理由は、別にストリーミングという再生方法ではありません。

 

ダウンロード型の場合、違法コピーが怖いのです。そのために音質を下げてまでも DRM というコピー防止機能を入れるというやり方もあります。

しかしストリーミング型ならそんなことしなくてもコピーできません。そもそもデータを「楽曲を所有させない」「楽曲を利用させるだけ」なので好都合なのです。

 

ダウンロードでもストリーミングでも、アーティストにとってはさほど問題ではありません。

アーティストにとって恐らく問題となっているのは、 なんで月額定額やねん! というところでしょう。アーティストが散々手間暇かけて苦労して作った作品です。作品そのものの価値を軽視されている!という理解です。

 

Spotify が示したモデルは、実はソフトウェア利用の一般的なモデルです。ソフトウェア利用ライセンス許諾と言って、「使ってもいいよ。所有権は渡さないけど」というもの。だから「勝手に分解したり壊したりしちゃダメだよ、あなたのものじゃないんだから」とか「ほかの人に転売しないでね」などの禁止事項があります。

 

このように Spotify のモデルは、音楽データを自由に聴かせるけど、所有権までは渡さないよ、というもの。データを売買せず、「利用権」を与えているわけです。

 

え? そんなことは分かっているって? さすがです! では何が問題なのか。

 

 アーティストだって Spotify に毎月定額で払ってもらいたいな。。。 

 

というところですか? はい、そこです。

しかしアーティストは毎月新曲を大量に Spotify に提供できますか? できません。そんなにスタッフ数いないし。

そんじゃ、アーティストはどうすれば?

 

Spotifyを叩くのではなく、Spotify と共存しよう。

 

Spotify は、あくまでも「リスナー」を助ける位置にいます。なぜならリスナーからお金をもらっているからです。

Spotify は アーティストからお金をもらっていません 。「アーティストを支援する」と言ってはいますが、優先順位は常にリスナーを高くします。

元来、アーティストは音楽出版社やレコード会社、マネージメント会社などに個別に契約をして、楽曲の販売などを委託していました。インターネットテクノロジーに追いつけなかった事で海賊行為を止められずにこの現状となりました。それが Spotify に切り替わっただけなのです。その Spotify に対して敵視し叩くというのは全く筋が通らないと考えます。

 

 アーティストの作品の価値が下がったわけではありません。 アーティストであるあなたが、Spotifyにお金を払わずに「タダ乗り」させてもらっているのです。

それ以外にもアナログレコード盤にしたり、ダウンロード販売したり、ライブ活動でファンを楽しませたりする方法はあるんです。でも Spotify の集客力はハンパありません。活用できるなら、活用しましょうということ。嫌なら利用せず、自分で配信サービスを作るべきです。

 

アーティストが「稼ぎたい!」と叫ぶなら、 需要を把握するのと同時に、自分の作品のスキルを高める努力 を続けましょう。Spotify はファンの声を聞いているのだから、Spotify がファンの声を代弁していると考えるべきかもしれません。それではまた!

 

注: 「Spotify」と散々書いていますが、ストリーミングサービス全般が共通していることですのでご理解ください。

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