過去の音楽生活と比べてデジタル音楽に欠けている「何か」
スマホで音楽を聴くようになって、便利だなと思う反面、ぶっちゃけ物足りなく感じるものも結構あると思っているので、その辺を書きたい。
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レコードやCDを買う時は、友達を誘う事ができた
放課後や週末に、レコードやCDを探しに行くのは、友情を育むコミュニケーションとしての貴重な時間でもありました。
スマホのサブスクでは・・・一人で検索するだけで終了してしまいます。
レコードやCDを買う時、好きなジャンルのコーナーやフロアにいるだけで、そのコミュニティーを感じられた
レコードショップやCDショップにたどり着くと、そこで買って帰るだけ・・・では決してなく、「ロック」やら「R&B」やら「ジャズ」やら、それらのフロアに足を踏み入れるだけで、不思議なホーム感(またはアウェイ感)を感じる事ができました。「ロック」コーナーにはロックなお兄ちゃんやお姉ちゃんが、「ハウス」コーナーにはまたハウスなお兄ちゃんやお姉ちゃん達を見る事ができたわけです。「おお、この人オシャレだわ」と衝撃を受ける日も少なくないわけです。
買ったレコードやCDのジャケットを自慢げに見せびらかせた
特にCDは学校に持っていって、友達に見せたり貸したりできたわけです。友達を作ったりするコミュニケーションに重要なアイテムの一つでした。
自分のお気に入りの、オーディオコンポ(ステレオ)の機能を使って音楽が聴けた
各家電メーカー・オーディオメーカーが、独特の機能やデザインを持った面白いデバイスを開発・販売してました。指でタッチして操作できるグラフィックイコライザー機能、まるでコンサートホールで聴いているかのようなリバーブエフェクト機能、サラウンドスピーカー機能、重低音機能、ダブルカセットデッキでのダビング機能などなど。お金を払えば他の人とは違う音像環境が手に入り、友達を家に呼んで自慢が出来たわけです。
オリジナルのコンピレーションをカセットテープで作り、自分のメッセージを書いた紙を添えて友達や彼氏・彼女に渡せた
好きなアーティストの好きな曲を好きな順番でカセットテープに録音して、伝えたいメッセージを紙に書いてケースに挟み込み、友達に渡す。立派なクリエイター活動です。
そのお返しで、レコードやCDを借りる事もできた
そうしてカセットテープを借りたら、今度はお返しに、負けないクオリティーのカセットテープを作って、貸してあげます。青春です。
買ったレコードやCDを、「後で売って儲けよう」と思う人はいなかった
若者は常にお金がない。だからと言って、せっかく買ったレコードやCDを売ってお金を儲けよう、とは思いもしないものでした。音楽ファンは、アーティストに寄付をする事は思いつくかもしれませんが、他人に売ってお金を儲けるという発想はなかなかないわけです。
更に、音楽を販売しているアーティスト側も、決して全ての人に音楽を届けようとしていたわけではなく、「ある程度のお金をくれた人だけに」その楽曲を届けていました。
そう考えると、例えば「シングル専用Spotifyプラン」とか、「アルバムも聴ける上位Spotifyプラン」のようなものが出来てもよかった気もします。なぜそうならなかったのか、不思議。
現在の大手サブスクリプションサービスは、他人とのコミュニケーションを促進することにはあまり積極的ではありません。不思議なことにSNS機能と一体化する事もない。そこにどんな思惑が隠れているのか(いないのか)・・・。
少なくとも、音楽を再生する画面インターフェースや音質調整など、その辺のカスタマイズ機能と、SNSとの連動機能は大幅に強化して欲しいなあと熱望している・・・のは僕だけなのかな。
補足:レコードの欠点
レコードプレーヤーは、とにかくずっしり重い。
補足2:CDの欠点
CDケースに簡単にヒビが入る。