物理的な「場所」から解放される創作活動
「テレワーク」というキーワードもよく聞かれるようになりました。会社のオフィスへ行かずに仕事をする事について、ようやく理解が進むようになりました。実際に人と会って同じ飲み物や食べ物を口にしながら、同じ場所の空気を吸い、同じ場所の匂いや温度を感じて過ごす事はできないため、比較的コンピュータのデータ操作をするなどの反復的・規則的な業務に恩恵があると思います。
日本を離れ、大きな大陸の国、例えばアメリカやカナダ、中国などでは同じ国と言えども地理的にかなり離れた場所にいる同僚と仕事をする事も多く、「テレワークだと、この根性なしめ」等という考え方では済まされない価値観もあるでしょう。
日本の地方で生まれた人々は、大学や就職のために東京へ引っ越しをせざるを得ない状況があります。残念ながら多くの地方では仕事がなく、必然的に(例え好きでなくても)東京に移住する必要があるわけです。
さて、クリエイターもしくはアーティストとしての活動をして生きていきたい学生達も例外ではなく東京に来る人が後を絶ちません。そのため東京のクリエイター達は東京のスタジオやオフィスに集まって製作を進める事ができていますが、ちょっと考えてみましょう。
- 地元が好きなので東京に引っ越したくない学生
- 東京に来てみたが、地方で生活していきたい人(家族の事情や介護など)
先に述べたように、海外ではテレワークは比較的当然のツールになっているわけで、日本も同様にどんどん活用・発展させていくべきソリューションです。ただ、「創作活動」に使用するにはまだハードルが高い部分も見受けられます。
プログラマーの世界ではほとんど会社で一緒に働く意味もなくなり、地方へ住みながら東京または別の地方の仲間と製作活動ができています。クリエイター、特にデジタルの世界で活躍しているクリエイターにもそろそろ恩恵が得られる時代になってもらってもいい気がしています。全てのクリエイターが東京に集まると、関係者の利害関係が絡み合い、そこで作られる作品のカラーも似通ってくるものです。クリエイターはむしろ、地方にバラバラに散らばっていた方が、面白い味を持ち始めます(地方のテレビ局が放送しているローカル番組を思い浮かべるとわかるかもしれません)。
もっと言えば、日本だけでなく、世界中のクリエイター達がそれぞれのローカル色の強い芸術性を兼ね備えた作品を作り、それらがコラボレーションする未来を思い描いている、今日この頃です。
Spliceというアメリカの会社は、リモート環境にいるクリエイターがWebブラウザーを使って共作できるサービスを展開しています。そこに私もアップしてみました。