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音楽の謎とその魅力、そして優れた作曲家になるための二元論

世の中にはたくさんのプロの作曲家がいますし、アマチュアにも才能豊かな作曲家が数多くいます。もはや過当競争なので高額を稼ぐ作曲家を目指すのはなかなか難しいと思います。
とは言え、優れた作曲家が多くても、リスナーとしては人生を左右するほどの名曲にそれほど頻繁に出会っていないような気もします。そこについてちょっと私の思いを書いてみます。

「音楽」と言っても様々なものがあります。リスナーの目的によっていろんな音楽が作られています。商業音楽、つまり一般の人にわかりやすく、販売を目的とした音楽が一番目に留まるわけですが、そういうものも、はたまたマニアックなものも含め、共通している音楽の魂とは何かを考えてみてください。

音楽は、実は「異なる性格のもの、交わらないものを、一つのコンテクストの中に同居させ、一つのものとして成立させてしまう遊び」という面がある事に気付きます。

例えば、白人と黒人を一つのリズムの中で混ぜてしまったり、西洋音楽と東洋音楽を一つのリズムで成立させてしまったり、と言った感じです。人類が成長・進化していく過程で、この「相反する性格のものをまとめる」という挑戦を常に行ってきていました。インターネットもコンピューターもなかった時代に、相反する性格同士が、同じリズムという時間に中で、相手を尊重して協力し同居していくという事をシミュレーションし、人々を感動させてきた歴史があるのです。

優れた作曲家は、多かれ少なかれ、この「相反するものをミックスし、新しいものを生むバランス感覚」が動物的に優れていると思います。

バッハで有名な対旋律も、異なる動きをする複数の旋律が絶妙に調和する世界を作ります。片方の旋律が上に行けば別の旋律が下に行く。片方が激しく動けばもう片方はゆっくり歌う、という感じ。

近年のポップスでも、明るい曲調かと思えばサビでは悲しいメロディーに変化してみたり。それが同じビートでまとめられていたりします。この変化の量が人の心を大きく動かします。そして各パートが同じカラーや動きを持っていると飽きやすく、異なるキャラクターであればあるほど、面白い曲に昇華されていくものです。明るいメロディーなのに悲しい歌詞だったり、と言ったものもあります。

音楽を作る人は、このような二元論の世界観を意識して時間軸で変化するストーリーを描いてみましょう。

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