Ableton: 時間差で音量を操作するコンプレッサーを使ってグルーヴを生む。
こんにちは。
前回、音の長さをうまく操作してグルーヴをコントロールするお話をしました。
DAW側でMIDIデータ自体の長さを短くしたり、シンセサイザー側のリリースタイムを短くしたり、という方法でしたね。
もう一つ、出力された音そのものの音量レベルを強制的に下げるという方法もあります。これは「コンプレッサー」というオーディオエフェクトを使いますので、シンセだけでなく、ギターやベース、ドラムなどにも使えるものです。
「コンプレッサー」の働き
簡単に説明すると、こうなります。
- 元の音の音量変化を監視する
- 音量がある一定以上になったら、音量を「下げる」
- ただし、音量を下げるまでの時間を微妙に遅らせることができる
- 結果として、瞬間的に音量が大きく、その直後に瞬間的に音量を下げる、という変化が生まれる
これによって、「あー、踊れるわ(笑)」という感じに仕上げようということです。
これは音量の時間変化を司るわけなので、コンプレッサーに入る元の音がどんな音で、どんな音量変化をしているのかによって、コンプレッサーの設定を変えていかなくてはなりません。
例えば、元音がスタッカートな、パーカッシブな演奏だと、コンプレッサーをかけてもあまり効果が得られません。コンプレッサーは実際の音に対して常に遅れて動作するので、「よし、音を小さくするぞ」というタイミングで、すでに元音が消えていると、意味がないわけです。
「サイドチェーン機能」で他のトラックと仲良く演奏させる
「ファ〜」という長めの音があったとします。ダンスミュージックでこのようなベターっとなる音を入れると、小ぎれいになって聞こえます。品が出てくるわけです。「ファ〜」と鳴らしながら、品を保ちつつ、でもグルーヴ感を損ないたくない場合、このサイドチェーンを使ってみましょう。
サイドチェーンは、「他のトラックが音を出したら、私は音量下げますね」という機能です。
例えば、リズム感を強調するドラムトラックがあったとして、このドラムが「ドン!」となったら、「ファ〜」の音量を小さくして、ドラム音が消えたら、「ファ〜」の音量を戻す・・・というのを自動化してくれます。
結果として、ダンサブルなドラム音が隠れないで、ずっと前にで続けてくれるので、「品のいいダンスビート」が出来上がります。
やってみたよ。
簡単にコンプレッサーのかけ方を動画にして見たので見てみてください。
途中のサイドチェーンのところは、ドラムトラック全体の音量を監視するように設定しました。これ、本当はキックだけのトラックを作って、そこをソーストラックとして指定すれば、もっとテクノっぽくなります。ではまた。