海外製品のテクニカルサポートを利用する際の「コツ」

こんにちは。

ソフトウェアアプリケーションやコンピューターデバイスなどを使っていて、わからないことは困った事があった場合、皆さんはいつもどうされますか?最近では誰にも聞かず、Googleで検索すれば大抵の情報は見つけられますし、その方が早く解決したりします。

それでも、ネットの情報は古かったり、あまり信用が置けないこともあるでしょう。そんな時は、購入店やメーカーのテクニカルサポートへ相談すると思います。

日本で製造販売されている製品のサポートは、海外製品と比べて手厚いサポートが受けられると言われています。実際、そういう面もあるでしょう。やはり文化や法律、経済状況を共有している人たちとの連絡になりますから、解決も早いです。

今回は、この海外製品のテクニカルサポートの謎について少し触れてみたいと思います。代理店経由で問い合わせる場合でも、下記のことを念頭におくとスムーズに解決できるかもしれません。

海外製品サポートの特徴

コンピューターミュージックを楽しんでいるみなさんの場合、アメリカ製品やドイツ製品を国内の代理店経由で購入している人が多いと思います。使用中に何か問題があった場合には、購入店か国内代理店のサポートに問い合わせる事が多いでしょう。

日本メーカーの製品を購入するのと比べて何が違うのか、考えてみましょう。

  • メーカーの最新情報は英語(当然)
  • サポートの返答が遅い(時差があるので)

上記は、日本人の立場からすると不満となるポイントです。逆に言うと、これらのポイントをカバーしてくれるのが国内代理店ですね。

しかし、多くの先進国ではこれらは当たり前の話で、英語でビジネスしているのも、世界には時差があるのも、めちゃめちゃ当たり前で日常的な事。逆に「なんで日本人は英語だとダメとか、時差が困るだとかで、こんなに非協力的なの?」と感じられる事も少なくありません。なぜなら、日本も立派な「先進国」だったりするので。

海外製品の日本語サポート体制の例

あくまでも一般的な例ですが、

[海外メーカー] > [国内代理店] > (楽器店) > [ユーザー]

という商流パターンが多いですね。

海外のメーカーがなんでわざわざ海を越えた日本という国の人たちに製品を販売しているんでしょうか。言葉も文化も違うんだから、サポートするのも面倒なんじゃないの?と思いますよね。

そもそも、起業するところから考えてみましょう。人々が会社やビジネスをスタートさせるのには理由があります。それは、「世の中の人々に、〇〇を提供したい!」と思うからです。恐らく多くの起業家や社長さんたちは、まず先にこのような思いがあるはずなんです。お金儲けが先にあるわけではありません。なので、相手が自国の人だろうが、海を隔てた外国の人だろうが、本当に関係ないんです。とにかく、人を喜ばせたい、幸せにしたい、と言う想いが強いはずです。

本来なら海外メーカーが自ら日本のユーザーを直接サポートしたいところです。でもそうするのは簡単なことではありません。

日本は先進国ではあるものの、欧米から見ると時差も距離も大きく、他の国よりも意志の交流が図りにくい国です。日本人は外国人にはとても親切なので好感度も高いのですが、ほとんどの人が英語を話せない。海外メーカーとしても、日本のマーケットのためにどの程度の人材やドキュメントを確保すればいいのか、流動的すぎて読めません。

労働力が多ければ多いほど高いクオリティーの製品やサービスを提供できるのですが、流動的な業務のために労働者を増やすことはなかなかできません(リストラもなるべくしたくない)。

そういった懸念を解消してくれるのが、我らが輸入代理店です。

輸入代理店の特徴

英語が堪能で、メーカーへの連絡では夜間でも働いてくれるし、日本のユーザーのことをよく理解し、広報活動からサポート活動も積極的にやってくれる。ユーザーから見ても、流動的なドル価格ではなく、固定した円価格で販売してくれている。彼らにはこれらのような「専門領域」があるわけです。ありがたいですよね!

もちろんコストはかかりますが、海外メーカーが直接日本のユーザーをサポートすることも可能です。しかし、彼らから見ると日本の代理店は優秀だしプロ意識が高い。自社で人員を抱えるよりも、彼らの販売能力やサポート能力に期待する戦略を取ることが多いようです。

ただし、輸入代理店にも限界があります。そもそも彼らが作った製品ではありませんから、時差を乗り越えてメーカーへ報告する必要があります(時には夜間対応)。しかも、彼らは多くの国の複数のメーカーと取引をしています。長文の報告書をじっくり読んでいる時間がありませんから、「簡潔にまとめられた、分かりやすい報告書」を求めます。

そして何よりも、メーカーにとって代理店はあくまでもビジネスパートナー。一番大事にしているのは(代理店の声よりも)実際のユーザーの声のだったりするはず。

「メーカーをサポートするのは我々ユーザーなんだ」

・・・というマインドを持つことは、実はとても大きな成果を生むものだったりします(いきなり結論?)。

テクニカルサポートへの主な不満?リスト

一般的によく言われる、テクニカルサポートへの不満は、

  1. 回答が遅い
  2. 問題の理解力が低い
  3. 説明力がない
  4. 知識不足
  5. 回答が淡白

といったところでしょうか。ほとんどコミュニケーションに関する問題が多いですね(製品品質は彼らの責任でもないし)。

それぞれの点について、傾向と対策を見てみましょう!

「回答が遅い?」主な理由と対策

会社の規模にもよりますが、大きい会社ほどサポートチームの中に層があります。「ティアー」と一般的に呼ばれています。エキスパートになるほど、上位のティアーに存在し、フロントでユーザーと接する側が下位のティアーになる事が多いです。場合によっては、代理店とメーカーの間でこのティアーサポート体制を実施している所もあるかもしれません。「上位」「下位」と言っても優劣の関係ではなく、カバーするべき責任を分担しているという構図です。

ユーザーからの問い合わせにも色々な種類があり、中にはメーカーの問題ではない内容も含まれていることも多いので、開発陣やサポートのエキスパートメンバーは後ろに控え、まずはフロントメンバーが切り分けを行います。

フロントメンバーの人数はユーザーからの問い合わせ数によって変わってきますが、ワールドワイドで展開している会社ならユーザーも多いので、それだけ多くのフロントメンバーを揃えるでしょう。クラウドサービスなど世界展開しているサービスが同時に停止するなどの問題が起きると、問い合わせが急増するので回答が遅くなりますし、さらに時差の問題が入ってきます。複雑に混み入った内容になればなるほど(人数の少ない)上位のティアーへ報告され、入念な調査が行われていきますからやはり時間はかかってきます。

対策:想定される今後のアクション」と「想定される回答予定日」を聞く癖をつけると良いと思います。約束ではありませんからそこは詰め寄らずに。あくまでも想定レベルで確認しておくと、ユーザーとしても気が休まりますし、回答までの間に何をすべきか予定を立てられるはずです。

「問題の理解力が低い?」理由と対策

電話やメールというのは、そもそも問題を正確に把握するのは困難なツールなのです。ユーザーからの問題説明自体、文章がチグハグで、情報も少ない事が多い。サポート担当者は、何が起きているのかを目で見たい(Visualize = 視覚化)わけですが、それが出来ないのが大変なところ。そのためほとんどの場合、サポートメンバーからの「質問返し」が始まります。

そもそも技術的な問題を人間同士が議論するのは、メーカーの人間同士でさえ困難(!)な事なのですが、それをメーカー以外のユーザーに対して正確な技術障害報告をさせようなんてのも無理な話。

では技術者同士はどうやって問題を報告しているかというと、「問題の再現ステップ」です。これが全てです。どんな天才プログラマーでもハードウェア設計者でも、この「再現ステップ」が重要。「再現ステップ」そのものに対して管理番号を発行して、社内で追跡しています。「KVR」など海外のユーザーコミュニティーサイトを見ても、再現ステップを書いて報告している人がとても多いです。

テクニカルサポートメンバーは、必死にこの「再現ステップ」を追求しますが、もしこのステップが問題のステップと異なる場合、せっかく数ヶ月かかってバグを修正しても、それはユーザーが抱えている問題とは別の問題を修正してしまっていた、最初からやり直し!という事態にまで発展します。そのため、正しいステップをユーザーと共有する事が大事です。

「再現ステップ」は、原因調査だけでなく、バグ修正後の動作テストにも使用されるのです。もしユーザーが「ステップ確認なんて面倒くさいから、適当にやっといて」というと、後が怖いので、きちんと確認して報告しましょう。エラーのスクリーンショットだけ送って、再現ステップは知らせないという場合、大抵の場合解決しません(たまにいますよね、そういう人・・・)。プロの技術者ほど、再現ステップにこだわります。

対策: ズバリ、「最初から再現ステップを報告しておく」事ですね。状況を録画してYouTubeにアップして、「限定公開」という設定で、サポートメンバーにURLを伝えておくなども一つの方法です。

参考:「動画のプライバシー設定を変更する

「説明力がない?」理由と対策

サポートのメンバーはプロのテクニカルコミュニケーターですから、本来ならこの「説明力」で真価を発揮します。語彙の少ない人は、必死に読書するなり映画を見るなりして、語彙を増やしています。

一つ注意しなくてはならないのは、サポートメンバーは、電話中にはユーザーの話を遮ってはいけない(なるべく)という方針を持っている会社があります。「説明力がない」のではなく「説明させてくれない・・・」という状況になっているのかもしれません。

対策:ユーザー側にできることはあまりないですが、相手も人間なので、自分の「理解力」や「確認力」も高めておきましょう。ただし、「・・・・それってつまり、これこれ、こういう意味ですよね?」と確認したくても、メールで確認するのはお勧めしません。たったそれだけのメールでも返事まで数日かけてしまうことになりますから、解決を数日遅らせます。なので、電話での確認がおすすめ。

「知識不足?」の理由と対策

これはサポートチームに事前トレーニングが十分提供されていない場合に発生します。会社自体が問題対応に追われて教育に手が回っていない可能性があります。しかしそうではなく、無駄に(必要のない)多くの情報を質問してしまっている可能性もあります。

メーカーの特に開発チームは、全ての情報を垂れ流しする事は禁止されています。「聞けば何でも教えてくれる」なんてことはありえません。それは恐らく代理店も同じで、NDAなど特別な秘密保持契約などを締結していないと情報を渡しません。

そもそも情報リークはメーカーにとって死活問題です。開発チームは普段、毎日コツコツと開発作業をしていますから、チーム外の人たちに対して、どの情報なら教えて良いか(または悪いか)の判断が瞬時にできません(小さい規模の会社はこの辺が緩かったりするみたいですが)。

なので、あれもこれもと質問している場合、メーカー側での余計な検討作業が増えてしまい、その結果回答は遅くなる傾向があります。

対策:自己調査でググったりして見つけた情報があったら、問い合わせ時にそのURLを貼ってあげましょう。相手も人間である事を忘れずに。具体的な質問は、具体的な回答を生みます(曖昧な質問は、曖昧な回答を招く)。

そして、無駄に多くの情報提供を求めない(この情報がなぜ必要なのか、を具体的に示してあげると効率的)ことです。

「回答が淡白?」な理由と対策

多くのユーザーを対応するためにテンプレートを使ったりするところが多いです。確かに満足度は下がりますね。

しかし、欧米ビジネスは論理的に実行され、特に効率性を重要視します。彼らのメールを見てもわかると思いますが、同じことは何度も書きません。重複するものは嫌われます(笑)。そのため、いずれサポートはBOTやAIなどで自動化されると予測している人もいますね。

対策:うーん、これはわかりません(笑)。ただ、充実したユーザーコミュニティーを持つ会社は社会へ大きな影響力を持つので、淡白なユーザーサポートをしているところは今後伸びないと考える人もいます。サポートチケットクローズ時のフィードバックサーベイ(アンケート)があったら、その辺りを伝えて見るのもいいかもしれません。

逆に、自分のメールを振り返り、重複したことを言っていないかなどチェックして、論理的に進めていければ良いかもしれませんね。

欧米諸国は、それが技術的なトラブルに関するコミュニケーションの場でも、基本的に明るくて、論理的で、ドライ(!)な空気があると思います。どんな問題でも前向きに淡々と対応していく事が、あらゆる事を前向きに解決していく事を知っています。

まとめ

日本にはチップ制度がないので、ファーストフード店やレストランなどの店員接客はマニュアル的・ロボット的対応になりがち。これは海外メーカーのサポートだけの話ではないですよね。

どんな問題に直面したとしても、人間同士の歩み寄りが問題を解決するのです。問題解決のストーリーも楽しい経験にしてしまう、そんなノリが大事だったりすると思います。

でも、中にはいますよね、変なサポートする人。以前、アメリカに出張に行った時、レンタカー会社のサポートに電話で相談したら突然電話を切られ、その後何度かけても電話に出てくれなかったとか、そんな経験もあります(あの時は日本のサポートが恋しくなったけど、時差で電話できず)。流石にワールドワイドで展開している音楽関係のメーカーでそんな対応するところと出会ったことはありませんが、どんなトラブル時でもユーザー、代理店、メーカーがお互いに一緒になってサポートし合う関係を心がけたいですね。

それでは上記の対策を考慮に入れて、デジタルライフを満喫してみてください。ではまた!

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