「愛撫」が妖美な世界観を奏でる理由
基本的には6-4-5-1の循環コードで構成されていますが、単調に聞こえず、次々と衣替えしていくようにカラフルに感じる楽曲です。その謎に迫ります。
Aメロ
Fマイナーキー。コードは循環コードなので、ボーカルメロディーで聞かせています。
「Fm / Db / Eb / Ab」(絹の靴に 金の刺繍糸)
「Fm / Db / Eb / Fm」(濡れた砂を 駆け寄る)
Bメロ
同じく循環コードですが、Aメロを全音転調して、GマイナーキーとしてAメロを若干発展させています。
「Gm / Eb / F / Gm」(愛さないでね 愛してないから)
「Gm / Eb / F / Gm」(哀しい嘘が ひとひら)
「Gm / Eb / F / B」(戯れだって いくらだましても)
「Gm / F / Eb / Cm / Dm / Eb」(眼差しは 正直よ)
Cメロ
半音上げてG#マイナーへ転調して気分を変えます。サビにも匹敵するだけの、この曲のいちばん美味しい顔とも言えるキャラクターを持つ大切な部分です。頭の中で連続再生されてしまうくらいインパクトがある部分。
メジャーセブンスの切ない響きから始まりますが、ここで、一番緊張させるはずのVを愛らしくマイナー化してハッとさせています。
「EM7 / D#m7(13th) / F#m7 / G#」(Lonely Night 人は孤独な星 Lonely Night 瞬いて消える)
「C#m7 / BonD# / EM7 / BonD#」(短すぎる 人生なら )
「C#m7 / BonD# / EM7 / BonD#」(眩しく 燃え尽きるまで生きたい)
重力表記すると、
「IVM7 / IIIm7 / Vm / VI」(Lonely Night 人は孤独な星 Lonely Night 瞬いて消える)
となります。
Dメロ(サビ)
最後は循環コードで決めます。
「G#m / E / F# / B」(Touch me Touch me Touch me through the night )
全体としては循環コードでシンプルですが、4つの場面を転調と代理コードで刺激的に場面展開させつつ、あくまでもボーカルメロディーで魅了する構成になっているのが面白いです。明菜ちゃんを中心にするとこれだけ妖美で美しい仕上がりになるのですね。